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診療のご案内 | 顎変形症の手術

顎変形症の手術

顎変形症とは

顎変形症は下顎の前突や後退、上顎の前突や後退、顎非対称等により起こる顎の変形のことです。これらの程度が軽ければ歯科矯正治療だけで対応できますが、程度が強ければ顎の骨格の手術が必要になります。また手術を受けることにより顎の形の修正が可能になります。これは歯科矯正治療だけでは不可能です。

顎変形症の手術はその症状によって、下顎骨だけの手術ですむ場合や上顎下顎両方の手術が必要な場合等がありますが、 いずれの術式にしても手術には全身麻酔が必要で、入院は1週間から2週間程度になります。 日帰りで出来てしまい翌日から仕事や学校に行けるというような種類のものではありません。

東海大学医学部形成外科 顎変形症とは
顎変形症手術の遷移

この手術は最近では十分確立され、安全なものになってきました。
最近では新しくこの手術を始める病院も増え、全国で毎月かなりの数の患者さんが手術されるようになりました。 この手術及び入院には保険が使えます。
東海大学形成外科では顎変形症の手術をその黎明期である1980年から行っています。
現在では年間40人から50人の患者さんが手術を受けており、累計で約500人になりました。
そのほとんどが17才から30才ぐらいまでの若い方で、男性の患者さんが2割、女性の患者さんが8割です。

顎変形症手術について

手術は口の中から行われ、顔には傷跡は残りません。術式によってはチタンのネジをとめるために、耳の下に近い部分の頬部にごく小さな切開を必要としますが、この傷跡は殆どわからないようなものです。

 

顎の骨は両側の”えら”の部分で切られ、顎の関節につながる部分の骨と真ん中の歯の並んでいるいわゆる”あご”の部分の骨に分割されます。顎の骨は予定している位置へ移動し、顎間固定法によりしっかりと骨が再び癒合するまで固定しておきます。顎間固定とは顎の骨の固定のために歯を利用する方法で、上下の歯を金属のワイアーで動かないように結びつけてしまうものです。

顎変形症手術後について

通常約4週間このままにしておく必要があり、その間は口が開かないため、流動食を食べていただくことになります。入院中は病院の食事がありますが、退院した後はご自宅で作ってたべていただきます。そのための食事指導を栄養科の先生から受けていただきます。

退院は早い人では7日間くらいで出来ます。遅い人でも10日から14日で退院します。

しかし出来ればその後2週間くらいは自宅で休んで下さい。

 

手術により、下唇の周りに感覚のしびれが出ることがあります。これはその部分の触覚に関する神経が、骨切り部の近くを走行しているためで、手術直後の患者さんを調べたところ約80%の方にこの症状がありました。 その後だんだん症状は消えてゆきますが、症状が消えずに残っている人も約7%います。1年ほど経過すると症状は殆ど気にならなくなります。

注意点事項

この手術では輸血が必要になることはまずありません。 しかし過去にはごくまれに出血が多く輸血が必要になる患者さんがいましたので(0.5%)、万一必要になった場合はこれを行うことがあります。

輸血には日赤の保存血が使われますが、自己血を事前に用意しておきたい方は申し出て下さい。

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