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診療のご案内 | 乳房再建

乳房再建

乳房再建とは

近年、形成外科の進歩により、乳癌やその他の理由などで乳房の全切除や部

乳癌により乳房の全切除や部分切除を余儀なくされた患者さんに対して、乳房再建が可能です。 乳房は女性にとって大切なものであり、いかなる理由であっても、乳房がなくなってしまえば大きな精神的・肉体的苦痛を感じます。このような方の精神的・肉体的な負担を軽減させる方法が、乳房再建です。

 

今日では、乳癌診療ガイドラインにおいても早期乳癌に対する乳房切除時の1次再建(同時再建)は、形成外科専門医を含むチームとして行う場合に、根治性を損なわずに整容性が得られる有用な選択肢であるとされ、推奨グレードはB(行われることを推奨する)となっており、安全な手術と考えられ、再建手術を受ける患者さんが増えているのが現状となっています。 

 

また、進行がんの方でも抗がん剤治療、放射線治療を併用することでがんが制御された場合、完治後に再建手術を受けることも可能ですから、再建手術をあきらめる必要はないと考えられています。

分切除を余儀なくされた患者さんに対して、乳房再建が可能です。 乳房は女性にとって大切なものであり、いかなる理由であっても、乳房がなくなってしまえば大きな精神的・肉体的苦痛を感じます。このような方の精神的・肉体的な負担を軽減させる方法が、乳房再建です。

 

この乳房再建手術は、単に乳房を新たに作るという美容的な目的のほか、術後の瘢痕拘縮(皮膚のひきつれ)を緩和させ、上肢の運動に対し良い影響を与えます。現在、欧米では乳房切除と同時に乳房再建を行い、ある乳房外科専門施設では、乳房切除を受ける患者さんの75%は乳房再建も同時に受けています。

乳房再建の実際

乳がん手術に対する再建術には、乳腺切除と同時に再建手術を行う1次再建と乳腺切除を含む乳がん治療が一通り落ち着いた後に再建する2次再建があります。当院ではいずれの方法でも手術を行っています。

再建方法として主に腹部や背部の脂肪や一部筋肉を用いた皮弁手術による自家組織再建とシリコンブレストインプラントを用いた人工物による再建が、乳がん術後の再建として保険適用されています。

皮弁による自家組織再建

皮弁とは皮膚、脂肪、筋肉などの組織を、血流が維持された状態で移植する方法をいいます。皮弁による自家組織再建では柔らかくて温かい、自然な乳房を再建することが可能です。また、年月とともに対側と同様に下垂していくのも特徴の一つです。欠点としては、組織採取部位に新たな傷ができること、採取した部位の違和感やちょっとした痛みの残存、筋肉を含めて組織を採取した場合の筋力低下、手術時間や入院期間が長くなることが挙げられます。以下に代表的な皮弁について説明します。

〈腹直筋皮弁〉

下腹部の皮膚、脂肪、腹直筋を利用する方法です。下腹部は脂肪が多い部位なので、どのような乳房にも適用でき、最も利用されている皮弁です。腹部の脂肪が減るので下腹部がすっきりする効果もあります。デメリットとして、日常生活に支障はないですが、術後の腹筋力がやや低下すること、腹壁ヘルニアといって皮下の筋膜が緩むことによる、腹部の膨隆が合併症として生じることがあります。また、妊娠、出産の可能性がある場合は原則適応外となります。

〈広背筋皮弁〉

背部の皮膚、脂肪、広背筋を利用する方法です。腹部に比べて脂肪が少ないので、小さい乳房の方にすすめられます。また、腹部に傷がある方や妊娠の可能性がある方にも適応できます。デメリットとして肩から腕を後ろに引く動作の筋力低下、背部の陥凹した変形が残ることがあります。

〈穿通枝皮弁〉

皮膚や脂肪の血液循環は元をたどると、大動脈から始まり、筋肉内を流れる血管に分岐し、さらに皮下脂肪内を走る解剖学的に名前は付けられていない穿通枝と呼ばれる分枝となり、最終的に皮膚の毛細血管となります。穿通枝皮弁とは皮下脂肪内から筋間を走る穿通枝を利用した皮弁であり、筋肉の犠牲がないという利点があります。主な採取部位として下腹部、臀部、大腿部が挙げられます。この手術は、皮弁の血管を一度体から離して、2mm程度の血管を再建する胸の近くの血管に顕微鏡下で吻合します。筋肉の犠牲が少なく、機能障害を最小限にして体の負担が軽くなる利点があります。

シリコンインプラントによる再建

シリコンインプラントによる再建は保険が適用されます。利点として皮弁移植による自家組織再建に比べて手術時間、入院期間が短いこと、乳房以外の他の部位に傷ができないことが挙げられます。欠点として、インプラントは既製品で決まった形態のものしかないため再現性が劣ること、特に下垂した形態は再現できず、経年的な変化も起きないため左右のバランスが変わっていきます。またやや硬く、冷たさを感じる場合もあります。シリコンインプラント特有の合併症として破損、被膜拘縮、感染などがあり、このような合併症が認められた場合、症状によっては抜去する必要があります。また非常にまれですが、シリコンインプラント関連リンパ腫の可能性も指摘されています。人工物ですので耐用年数があります。現在のところ平均10年ほどと言われてます。破損が明らかに分かる場合には、新しいものに入れ替える必要があります。シリコンインプラントによる再建後は2年に1度はMRIやエコー検査が必要となります。

 手術方法ですが、乳腺全摘後の胸の皮膚は非常に薄いので、そのままシリコンインプラントを挿入すると後日に皮膚の破綻が生じ、露出する可能性が高くなるため、原則としてインプラントは大胸筋の下に挿入する必要があります。大胸筋と皮膚をしっかり密着させ、更に皮膚の進展性を保持する必要があるため、乳房切除時の手術ではティシューエキスパンダー(一時的な風船のようなもの)を挿入します。術後数週後からエキスパンダー内に生理食塩水を注水し徐々に皮膚を拡張させていきます。通常エキスパンダーは2〜3か月程度で拡張が完了し、その後3~6か月程度待機してからシリコンインプラントへ入れ替えをします。

脂肪移植

2021年現在では自費診療になります。腹部や臀部・大腿より脂肪吸引し、細かくした脂肪組織を数回に分けて注入します。乳房すべてを脂肪移植で行うことは難しいことが多いので、上記に挙げた再建後の修正に用いられることが多いです。

乳頭乳輪再建

乳がん切除時に乳頭乳輪も含めて切除された場合に行います。上記に示した方法で乳房のふくらみを再建した後に乳頭乳輪再建を行います。方法はいくつかありますので、担当医とよく相談して決めてください。

乳頭再建方法
1. 対側乳頭移植  

手術していないほうの乳頭を1/2-1/3ほど採取し移植します。乳頭そのものなので再現としては申し分ありません。生着程度によっては色素脱失が生じることもあります。

2. 皮弁による方法

自分の肋軟骨・人工骨を芯にして胸部の皮膚で回りを取り囲み高さを出します。色は陰部ちかくからの皮膚移植か自費になりますがタトゥーでつけることができます。

 

3. 乳頭乳輪シール

フルオーダー・セミオーダーメイドで作成可能です。自分のもともとの色や形に合わせて人工的に立体的な乳頭乳輪シールを作ることができます。

乳輪再建方法
1. 皮膚移植

対側乳輪や色調の近い陰部近くから皮膚を採取し、移植します。

 

2. タトゥー

自費診療となります。数年たつと薄くなり、再度施行することがあります。